四十、五十は洟垂れ小僧

今日もやっぱり腹が減る、喉が鳴る。そんな中年男の備忘録。

大林 Ohbayashi @ 南千住

久々に日本堤にある大林を訪問。南千住の駅を降りたらJRの貨物線の引き込みにかかる大きな陸橋をわたり、真っ直ぐ浅草方向へ。あしたのジョーで有名な泪橋(今は暗渠)を抜け、ひたすら歩みを進めます。日本三大ドヤ街の一つ、山谷と呼ばれるこのエリアにその面影は?明治通にあるセブンイレブン世界本店前の路上は、かつて簡易宿泊所の様でしたが、周辺に昔ながらの木賃宿はあるものの、随分安全な街になりました。オリンピックの際には、海外からのツアリストから注目されそうです。

交番を右に見つければ、目的地はすぐそこ。残念ですが店内写真撮影禁止、携帯禁止。うーん、そこまでしなくても。

と、いうことで、お店の佇まいを写したら入店です。

店内は広い土間があり、欅の無垢板であつらえたであろう年季の入ったL字のカウンターが鎮座。妙にスカスカの土間にはその昔テーブルでもおいていたのでは?と思わせる贅沢な間取り。

高い天井、茶色に染まった店内。お世辞にも掃除が行き届いているとは言えませんが、ピンと張りつめながらも何か懐かしい空気に満たされています。

入店時お客様は1名のみ。カウンター内の親爺とは注文と会計の時にかわす言葉しかありません。注文を通す厨房にはその昔お嬢であったはずのお二人が控えていらっしゃいます。お手伝いしようかと思うくらいの年輪をそのお顔に刻まれています。

取り急ぎ、お酒を頼むことにしつつ、まずはお酒の短冊に集中。お酒には、合成酒、日本盛、白雪の文字。日本盛は良いお酒、と昔のCMのフレーズを頭の中で反芻しながら注文します。

お通しは茹で白菜におかかをかけたものが醤油皿に載せられ提供されました。さぁ、何から始めるべきか、改めて短冊を眺めます。

短冊は達筆な筆で書かれています。色からして長くぶら下げられてはいません。豚肉のコーナーに「いり豚」の三文字。この言葉、四ツ木のゑびすと浅草の水口さんぐらいでしか見かけない。早速注文しましたが、ケチャップとウスターで炒めた玉ねぎと豚肉の味は、昔ハイカラ、今懐かしの味。いいじゃないか、思わずニヤつきます。

酒を追加し、また短冊へ目を移します。座り位置が悪く、見にくいものの、卵コーナーに目玉焼きと卵焼きを認識。迷いつつも卵焼きにしました。

出てきた卵焼き、いや、これオムレツでしょ?一口食べればほのかに甘い関東風。うーん目眩がしそうなふわふわ感。ポーカーフェイスは苦手なので、驚いた後はニヤつくしか方法がありません。

途中お客様がおみえになりましたが、いかにも一杯引っ掛けてきた香りとご様子。親爺さんはにべもなく「今日はお終い」と言い切ります。まだ19時なのに。

その言葉は無視して、卵焼きで二本頂き、〆を考えます。飯もある、汁もある、一気に腹を満たすのもいいが、それでは芸がない。ここはひとつ、酔っ払いの王道、お刺身とします。うーん、チョッチ失敗。でもこれまでの過程から考え、執行猶予。小松菜の胡麻和えに後ろ髮引かれつつ、お勘定。今度はストーブのそばに座ることにしよう。

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大林
東京都台東区日本堤1-24-14
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